プレスリリース

光パケット複合機の評価指標と測定法の国際標準化

2014年11月17日

ICT分野におけるエコロジーガイドライン協議会

 

ICT分野におけるエコロジーガイドライン協議会(※1)(以下「協議会」という。)が新規に策定した「光パケット複合機(※2)の評価指標と測定法」の内容を、ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)に提案して、光パケット複合機の章が第14章として追記された「通信装置のエネルギー効率指標と測定法(L.1310)」改訂版が平成26年8月22日付けで、ITU-T勧告となりました。

(※1) 平成21年6月26日に、一般社団法人電気通信事業者協会、一般社団法人テレコムサービス協会、一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会及び特定非営利活動法人ASP・SaaS・クラウドコンソーシアムの5団体より発足した協議会。

(※2) トランスポート装置の一つで、パケット信号、TDM信号、およびWDM信号等の異なる複数の信号を伝送する装置で、装置および運用管理システムの統合化により、シンプルなネットワークを構成できる。

 

協議会では、地球温暖化防止対策に業界をあげてなお一層取り組む必要があると考え、電気通信事業者等が省電力の観点から、ICT装置やデータセンターサービスの調達基準のベースとなる評価基準とともに、各事業者が適切にCO2排出削減に取り組んでいる旨を表示できるよう基準を示す「ICT分野におけるエコロジーガイドライン」(以下「ガイドライン」という。) 第1版を平成22年2月に策定・公表しました。その後も、対象装置の追加や基準値の見直し等を行い、ガイドライン第5版を平成26年2月に策定・公表しました。

 

また、協議会では、独自に評価指標等を策定したICT装置については、関連する標準化団体・会社と連携して、国際標準化を推進しております。

ガイドライン第5版で公表した「光パケット複合機の評価指標等」は協議会が独自に策定したものです。

 

そこで、協議会では、所属する会社と連携して、ITU-Tの「ICTと気候変動グループ(SG5 WP3)」会合にて、「光パケット複合機の評価指標と測定法、および光パケット複合機の章を第14章として追記する旨」を提案しました。WP3では光パケット複合機の章が第14章として追記された「L.1310」の改訂版が審議され、平成26年5月23日にコンセント(同意)されました。その後、勧告承認に向けた手続きを経て、平成26年8月22日付で、ITU-T勧告として承認され、平成26年11月13日付けで公表されました。

SG5: Study Group5(環境と気候変動に関する勧告類を扱う研究委員会)

WP3: Working Party3(ICTと気候変動グループ)

 

【光パケット複合機の評価指標】

評価指標:E=最大スループット(Gbps)/平均消費電力(W)

最大スループット=√ 〔{A2+B2+(C×α)2}/3〕

A : パケット機能の最大スループット(Gbps) = 「Port速度(Gbps)×Port数×Slot数」

B : TDM機能の最大スループット(Gbps) = 「Port速度(Gbps)×Port数×Slot数」

C : WDM機能の最大スループット(Gbps) = 「信号速度(Gbps)×波長数」

α : WDM機能部のAdd/Drop率

なお、A,B,C,αの条件は「C×α=A+B」である。

平均消費電力=(Pidle+Pmax)/2

Pidle:最小実装の最小パス構成で非導通状態での消費電力(W)

Pmax:最大実装構成で主信号が疎通状態での消費電力(W)

 

【関連資料】

・ 「通信装置のエネルギー効率指標と測定法(L.1310)」改訂版

Energy efficiency metrics and measurement methods for telecommunication equipment

http://www.itu.int/rec/T-REC-L.1310-201408-I

 

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