≪国内電気通信市場≫
平成10年度の国内電気通信市場は、売上高11兆1,871億円と第一種電気通信市場の96.7%を占め、対前年度比4.0%の増加となった。内訳を見ると、音声伝送が9兆7,440億円と全体の87.1%を占めており、この中には一般の加入電話・ISDN(5兆1,992億円、全体の46.5%)の他、携帯・自動車電話(4兆435億円、同36.1%)およびPHS(5,013億円、同4.5%)が含まれる。このほか、データ伝送が2,696億円(同2.4%)、専用が7,756億円(同6.9%)などとなっている。
音声 | データ | 専用 | 電報 | その他 | 合計 |
9,744,011 (携帯 4,043,540) (PHS 501,300) | 269,617 (無線呼出 125,163) | 775,556 | 84,423 | 313,479 | 11,187,086 |
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加入電話/ISDN
平成10年度末の加入電話契約数は、合計5,855万8,694加入であり、平成9年度末に比べ3.1%の減少となった。ISDNについては、64kb/sの契約数が400万5,635と対前年度末比約69.4%の増加であった。加入数の増減で見ると、加入電話の約189万の減少に対して、ISDNが約164万の増加となり、加入電話の減少分のかなりの部分がISDNに移行しているものと予想される。
| 平成6年度 | 平成7年度 | 平成8年度 | 平成9年度 | 平成10年度 |
加入電話 | 59,935,770 | 61,105,841 | 61,525,876 | 60,451,330 | 58,558,694 |
ISDN(64k) | 337,000 | 519,000 | 1,085,000 | 2,365,000 | 4,005,635 |
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携帯電話/PHS/無線呼出し
平成10年度末の携帯電話(自動車電話を含む)の加入契約数は、4,153万台と平成9年度末と比べ、31.7%の増加となり、人口当たりの普及率で32.8%となった。このうち、NTTドコモが2,389万7,100台と57.5%のシェアを占めている。PHSについては、577万7,600台、無線呼出しは、376万5,600台とそれぞれ対前年度末比で14.1%、47.1%の減少となった。
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データ伝送/専用線
データ系のサービスとしては、フレームリレーが平成10年度末で104,233加入、ATM(セルリレー)が62加入と対前年度比でそれぞれ98.7%、87.9%の増加となった。インターネット接続については、第一種電気通信事業者のみで98万9,461と平成9年度と比べて約4.6倍の大幅な伸びを記録した。現在、60社以上のケーブルテレビ事業者がインターネット接続のサービスを開始しているが、このことも大きく影響しているものと予想される。専用線については、アナログの一般専用サービスが平成10年度末で83万8,909回線と前年と比べ8.5%の減少、高速デジタル伝送サービス(64kb/s〜6Mb/s)は25万6,895回線と対前年度比33.2%の増加となった。
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(1)全体量、距離段階別・通信時間別等
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加入電話
平成10年度の加入電話のトラヒックは、724億3,200万回、35億2,246万時間と前年度と比べ通信回数で12.6%、通信時間で4.6%それぞれ減少した。これを距離段階別(区域内、100km以内、100km超)に見ると、区域内通信の通信時間(0.1%増)以外はすべての距離区分で減少を記録した。これをさらに通信時間別(1分以内、1〜3分、3〜5分、5〜10分、10分〜)に分けて見ると区域内通信の10分以上のトラヒックのみ増加(2.0%)し、これ以外はすべて減少した。
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ISDN(通話モード)
平成10年度のISDN通話モードのトラヒックは、71億6,000万回、2億4,119万時間と前年度と比べ通信回数で96.0%、通信時間で92.8%それぞれ増加した。加入電話とISDNの合計に占める割合は、通信回数が9.0%、通信時間が6.4%となる。距離段階別に見ると、区域内通信の伸び率が通信回数(101.4%増)、通信時間(98.7%増)ともに最も高い。通信時間別に見ると、加入電話と比較して短い時間のトラヒックが多い傾向が窺える。(平均通話時間は、加入電話2.9分、ISDN2.0分)
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ISDN(通信モード)
平成10年度のISDN通信モードのトラヒックは、30億2,100万回、3億2,927万時間と前年度と比べ通信回数で48.8%、通信時間で100.1%それぞれ増加した。通話モードと比較すると、通信回数では半分以下であるが、通信時間では逆に4割近く上回っている(通信モードの平均通信時間は、6.5分)。通信モードの場合は、近距離通信の伸びが著しく、過去2年間で見ると、100km超が通信回数36.0%、通信時間54.2%、100km以内が通信回数81.5%、通信時間140.7%の伸びに対して、区域内は通信回数322.0%、通信時間647.0%と大幅に増加している。
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携帯電話
平成10年度の携帯電話のトラヒックは、発信が250億1,500万回、7億2,319万時間と前年度と比べ通信回数で43.3%、通信時間で56.1%それぞれ増加した。これに固定電話からの着信を加えた発着信の合計では、345億6,200万回、10億2,659万時間と前年度と比べ通信回数で35.6%、通信時間で44.4%それぞれ増加した。発信先の割合は、対携帯電話が通信回数52.6%、通信時間58.1%と過半数を占め、加入電話・ISDN等対固定電話は通信回数44.6%、通信時間38.8%となっている。通信時間別に見ると、1分以内の通信回数が全体の61.1%を占め、5分以上の通信は6.4%にすぎない。
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PHS
平成10年度のPHSのトラヒックは、発信が48億4,300万回、1億1,323万時間と前年度と比べ通信回数で25.4%、通信時間で7.1%それぞれ増加した。これに固定電話からの着信を加えた発着信の合計では、57億8,100万回、1億9,980万時間と前年度と比べ通信回数で18.2%、通信時間で6.7%それぞれ増加した。発信先の割合は、対PHSが通信回数51.6%、通信時間38.7%、加入電話・ISDN等対固定電話は通信回数35.2%、通信時間45.3%であり、通信回数では対PHSが多いが、通信時間では対固定電話が対PHSを上回る。通信時間別に見ると、1分以内の通信回数が全体の78.0%と携帯電話よりさらに短時間の通信の比率が高く、5分以上の通信は5.0%となっている。
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(2)時間帯別トラヒック分布
時間帯別の通信回数、通信時間は、別紙(グラフ)に示すとおり。サービスにより通信のピーク時間が異なり、それぞれの利用形態、用途の違いが現れているものと予想される。主な傾向は次のとおり。
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加入電話
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通信回数のピークは午前9時台、通信時間のピークは午後8時〜10時。 |
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夜間は通信回数は少ないが通信時間が多く、1回当たりの通話時間が長い傾向にある。 |
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ISDN(通話モード)
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通信回数の時間帯による分布はほぼ加入電話と同様。 |
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通信時間で見ると、加入電話と比べて夜間のトラヒックが少なく、ビジネスユースの割合が多いことが窺える。 |
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ISDN(通信モード)
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通信回数では午後11時台が他の時間帯よりも2倍以上、次いで午後10時台、午前0時台が多く、家庭でインターネットへのアクセス回線として利用されていることが予想される。 |
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携帯電話
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通信回数のピークは午後5時〜7時だが通信時間のピークは午後10時〜午前0時。夕方は要件だけの通話が多く、夜間は会話中心の通話が多いものと予想される。 |
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PHS
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携帯電話と比べると午後8時から午前1時頃までのトラヒックが特に多く、ピークは通信回数が午後10時台、通信時間が午後11時台と個人利用が多いことが窺える。 |
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