平成14年10月18日

社団法人 電気通信事業者協会
社団法人 日本インターネットプロバイダー協会


「インターネット利用中の国際電話接続トラブル」防止に向けての
インターネット利用者への周知について

 インターネットの利用中に、利用者が気付かないうちに国際電話に接続され、国際電話の請求書が届くというトラブルが増加しています。

「社団法人電気通信事業者協会」(TCA、小野寺正会長)及び「社団法人日本インターネットプロバイダー協会」(JAIPA、渡辺武経会長)は、本トラブルを解消していこうとしているところですが、本日、TCAからJAIPAへ、インターネット利用者にトラブルの内容、予防方法、対応策について周知することを要請し、両者が連携を深めて本トラブルに取り組んでいくこととしています。

JAIPAは、従来から、本周知活動を行っておりますが、これを契機に、トラブルを未然に防ぐため、JAIPA会員であるインターネットプロバイダーを通じ、インターネット利用者に対する周知活動を強化し、徹底をはかります。

TCAからJAIPAへの要請内容は別紙のとおりです。
以 上



別 紙
社団法人 電気通信事業者協会
会長 小野寺正

「インターネット利用中の国際電話接続トラブル」防止に向けての
協力要請について


 インターネット利用中の国際電話接続トラブルにつきましては、従来より、各地消費者センター、総務省、インターネットプロバイダーおよび国際電話サービス提供事業者(以下、国際電話会社)が各種対策を講じてきておりますが、いまだに多くの利用者からの苦情が国際電話会社に寄せられております。

特にインターネットを利用し始めたばかりの“インターネット初心者”がトラブルに巻き込まれるケースが多く、また、最近は問題の発生源であるインターネットサイトが、いわゆるアダルトサイトだけでなく一般的な情報サイトへ広がってきているため、トラブルが未成年者を含む一般のインターネット利用者層まで広がってきており、利用者保護の観点から看過できないものとなっております。

私ども電気通信事業者協会(TCA)の会員である国際電話会社は、トラブル予防措置、トラブル発生後の各種対応などトラブルを最小限に抑えるよう取り組んでまいりました。

しかしながら、本トラブルは、国際電話の利用中ではなくインターネットの利用中に利用者の意図しない国際電話に接続されることによって起こるものであるため、国際電話会社のユーザーへの対応にも限界があるところでございます。(「トラブルの現状等」資料をご参照ください。)

このような状況をご理解いただきまして、利用者保護の観点から、インターネット利用者が加入されているインターネットプロバイダーの方々に、本トラブルの防止に向けて、別添の内容につきましてご協力いただきますようお願い申し上げます。
以 上

別 紙
インターネットプロバイダー様にご協力をお願いする項目

利用者保護の観点から、加入者の方に次のことを周知していただきますようお願いいします。
トラブルの内容について
トラブルの予防方法について
「インターネット利用中の国際電話接続トラブル」にあった時の対応策
  (注)各項目の具体的な内容につきましては、「トラブルの予防方法等」資料をご参照ください。
 
周知方法の例
周知方法 例 示
加入者様向けホームページへの掲載 加入者様向けのホームページのトップページに「国際電話接続トラブルにご注意!」と記載し、ここから周知内容を掲載したページにリンクするという方法があります。
加入者様向けメールマガジンへの掲載 加入者様向けメールマガジンに「インターネットご利用時の国際電話接続トラブルにご注意!」と標題をつけた簡単な説明文を記載したり、周知内容を記載したページにリンクするという方法があります。
開通通知、ご利用ガイドブックへの掲載 加入者様のご利用開始にあたっての「開通通知」または「ご利用ガイドブック」に、周知内容を記載するという方法があります。
請求書同封物への掲載 請求書をご発行されている場合は、請求書同封紙等に、周知内容を記載するという方法があります。
(その他)加入者様向けホームページへの「国際電話検知ソフト」のご掲載についても、ご検討をお願いいたします。
以 上

別 紙
トラブルの現状等

1. トラブルの現状
  (1) インターネット利用中の国際電話接続トラブル(悪質な例)
    通常、ダイヤルアップによるインターネット接続は、自宅から最寄りのアクセスポイントを経由して行いますが、悪質サイトの「アクセス番号を国際電話番号に書き換えるプログラム」の入ったバナー等をクリックすることにより、プログラムが自動的にダウンロードされ、そのプログラムが作動してパソコンの設定を勝手に書き換え、その後のインターネット接続が利用者の意図しない国際電話経由で常に行われることとなります。
  (2) 被害者の一般化
    近年のインターネット普及に伴い本トラブルは98年頃から顕在化し、インターネットご利用者から国際電話会社へのお問い合せ等が急増してきましたが、種々の対策を講じたことにより、99年末頃より収束に向かいました。
しかしながら、悪質サイトは従来は主にアダルト系サイトに限定されていましたが、最近になって一般サイトにも拡大する傾向にあり、仕組みが悪質且つ巧妙になってきていることから、昨年末よりお客様からのお問い合せ件数が再度増加傾向にあります。(本トラブルに関して、現在でも毎月1万件を超える問合わせ・苦情が、国際電話会社に寄せられています。)
   
2. トラブルの構造的な問題点
  利用者がインターネット利用している間に国際電話への接続が発生しているにもかかわらずそれに気付かないため、利用者は国際電話の利用料金が請求されて初めてこのトラブルを知ることになります。
このため、利用者は、国際電話会社に苦情をご申告いただくわけですが、国際電話会社は利用者のご利用に基づき正当に国際電話料金を請求しているだけであるため、利用者との話し合いでは、双方の主張が平行線をたどる傾向があります。
   
3. 本トラブルに対する、国際電話会社の対策状況
  トラブルの現状および問題点を踏まえ、TCA会員である国際電話会社は、次のような対策を行って参りました。これら対策には、総務省から本年3月に要請のあった対策が含まれています。
 
主な対応策 概 要
トラブル
予防策
特定対地への国際電話サービス一部取扱い休止 トラブルに関する問合せ・苦情が多い対地への国際電話サービスの一部について、取り扱いを当分の間休止します。
国際電話番号等検知ソフトの無料提供 国際電話番号等の発信を検知した場合に警告を発するソフトをホームページ上で無料提供しています。
音声ガイダンスの挿入 問題と思われる対地に対して、国際電話である旨を知らせる音声ガイダンスを挿入しています。
書面による注意喚起 請求書同封物やリーフレットにより、本トラブルに対する注意を喚起しています。
トラブル
発生後の
対応
突発的な国際電話利用ユーザーへの注意喚起 特定対地における国際電話の利用額が一定額を超えた時点で、利用ユーザーに連絡し、臨時に請求書を発行してお知らせしています。
専用問い合わせ窓口の設置 国際情報提供サービス専用のお客様問合せ窓口を設置しています。
全般 関係団体等との連携 各地の消費者センター等への情報提供を行うとともに、注意喚起等を要請しています。
国際電話の不取扱い 「国際電話不取扱受付センター」において国際電話サービスそのものを利用休止にする手続きを承っています。
(注)国際電話会社により、上記対応策のうち一部実施していないものがあります。
以 上

別 紙
トラブルの予防方法等
(内容をご覧いただくにはこちらをクリックしてください)