プレスリリース

平成17年6月21日
                  
社団法人電気通信事業者協会
情報通信ネットワーク産業協会

平成16年度の携帯電話・PHSにおける
リサイクルの取り組み状況について
 
 社団法人電気通信事業者協会(TCA)と情報通信ネットワーク協会(CIAJ)は、携帯電話・PHSにおける資源の有効利用について取り組んでいます。

 TCAと携帯電話・PHS事業者は、平成13年4月から開始した「モバイル・リサイクル・ネットワーク」により、サービス提供事業者、製造メーカーに関係なく、使用済みの携帯電話・PHSの本体、電池、充電器を全国約8700店(平成17年3月末現在)の専売店・ショップにおいて、自主的に回収を行っています。

 また、リデュース(抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生)については、CIAJが「携帯電話・PHSの製品環境アセスメントガイドライン」を制定し、製造メーカーにおける指針として製品アセスメントを実施する等の対応を進めています。

 今般、平成16年度のリサイクルの実績に関するとりまとめが完了しましたので、お知らせします。

1. 平成16年度リサイクル実績と再資源化状況について
  (1) リサイクル実績と再資源化状況について
  [表1] 平成16年度のリサイクル実績と再資源化状況
  回収台数
(千台)
回収重量
(t)
再資源化量
(t)
再資源化率
(%)
携帯電話・PHS本体   8,528 677 129 19
電池 7,312 159 84 53
充電器 3,181 288 52 23
 
備考) 再資源化量については、以下の算式により算出しています。
  再資源化量 = 再資源化率 x 回収重量
  再資源化率 = 携帯電話・PHSに含まれるメタル含有率
参考) 以下の算式により算出される回収率は21%です。
  回収台数÷(各メーカーからの出荷台数−携帯電話・PHS加入純増数)
   
  [表2]リサイクル実績の推移
  平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度
回収台数
(千台)
回収重量
(t)
回収台数
(千台)
回収重量
(t)
回収台数
(千台)
回収重量
(t)
回収台数
(千台)
回収重量
(t)
携帯電話・ PHS本体 13,107 799 11,369 746 11,717 821 8,528 677
電池 11,788 264 9,727 193 10,247 187 7,312 159
充電器 4,231 361 3,355 251 4,387 319 3,181 228
   
   平成16年度の携帯電話・PHS本体の回収台数は、前年度実績から3,189千台の減少となりました。また併せて、回収重量も前年度実績から144トンの減少となっています。
   
  (2)利用者の意識・行動に関するアンケート調査結果について
   リサイクルに関する実態を調べるため、携帯電話・PHS利用者2000人に対するアンケート調査を昨年に引き続き実施しました(添付資料1参照)。

 この調査によれば、携帯電話・PHS端末のリサイクルに関する認知度は50%弱に留まっており、端末の処分時に36%の人がゴミとして捨てています。

 また、過去1年間に買換・解約をした人が半数近くいますが、その中で古い端末を「店に引き取ってもらった」という回答は24%に過ぎません。過去1年間に端末を処分したことのある人(買換・解約した利用者以外も含む)は、15年度調査の42%から16%に大きく落ち込んでいます。
端末を処分せずに保有している理由(複数回答)としては、メールなどが残る端末を「コレクション・思い出として残す」(30%)が最も多く、「電話帳」(22%)「データのバックアップ用」(19%)「ゲーム機」(8%)「デジカメ」(6%)「目覚まし時計」(5%)などの通信機能以外の用途で利用している人も半数以上いて、携帯電話の多機能化、高機能化を反映した結果となっています。また、個人情報保護の意識の高まりから「個人情報が漏れるのが心配」という回答も24%に上っています。

 本調査結果を見ると、携帯電話・PHSのリサイクルに対する認知度を向上させる必要がありますが、一方で端末の多機能化・高機能化に伴って、通信機能以外の用途で活用する傾向が一段と高まっています。従来の<通信機能を失った端末=使用済みの端末>という概念が実態にそぐわなくなりつつあります。これが、買換・解約時の回収台数の減少に結びついているものと思われます。
   
2. リサイクル向上に向けた今後の対応について
 
(1) 認知度の向上に向けた施策展開
 携帯電話・PHS端末はゴミとして処分せずリサイクルに出すこと、専売店・ショップにおいてブランド・メーカーを問わず回収活動を行っていること、に対する認知度の向上を図るため、買換・解約時をとらえた店頭での案内に加えて、カタログ・取扱説明書における周知、媒体広告、回収に協力いただいた方へのプレゼントキャンペーンなどを展開していますが、今後も引き続き力を入れていきます。
   
 
(2) 回収可能性を高める対策
 通信機能以外の用途で携帯電話・PHS端末を2次利用する傾向が高まっていることに伴って回収数が減少していますが、端末に保存・蓄積した個人情報(電話帳、メール記録など)の保存、引継ぎを可能とするデータバックアップ、データ移行などの措置を講じることによって、回収可能性を高めていきます。
   
 
(3) 個人情報保護に対する取組み
 利用者の方々が個人情報の漏洩を気にすることなく、不要となった端末を安心してリサイクルに回すことが出来るように、端末内部に保存・蓄積された個人情報を確実に消去する方法・手段を分かりやすく説明・啓蒙すると共に、専売店・ショップにおけるサポートの強化(端末破砕など)を図ります。
   
 
(4) 平成17年度における各社の取組み
 リサイクル向上に向けた平成17年度における各社の主な取組みは別添資料2のとおりです。
   
3. 「モバイル・リサイクル・ネットワーク」への参加企業について
  添付資料3のとおり。
 
  URL : www.mobile-recycle.net
以上


別添資料2
リサイクル向上に向けた事業者の主な取組み
(平成17年度)
 
<ショップにおける活動>
端末破砕器具の導入
端末に保存・蓄積されたデータの移行措置
端末に保存・蓄積されたデータのバックアップ措置(CD-ROMなどの外部メモリへのバックアップ)
端末をショップに持参しリサイクル回収に協力していただいたお客さまへのプレゼントキャンペーン実施
ポスター等の掲示物によるお客様への周知
   
<PR活動>
新聞、雑誌、ラジオなどの媒体広告
カタログ、請求書同封物などへの掲載
   
<その他>
充電器(ACアダプター部)の共用化による不要充電器の発生抑制
リサイクルを通じた収益金の環境保護団体への寄付
  (注)上記項目は、各事業者の主な取組み内容を網羅したものであり、事業者毎に実施
状況・内容は異なります。
以 上


別添資料3
モバイル・リサイクル・ネットワーク参加各社
 
通信事業者 【(社)電気通信事業者協会】
 NTTドコモグループ 9社
 au(KDDI株式会社、沖縄セルラー電話株式会社)
 ボーダフォン株式会社
 ツーカーグループ 3社
 アステルグループ 2社(東北インテリジェント通信株式会社、株式会社鷹山)
 株式会社エネルギア・コミュニケーションズ
 株式会社ケイ・オプティコム
 株式会社ウィルコム、株式会社ウィルコム沖縄
 
製造メーカー 【情報通信ネットワーク産業協会】
 NECインフロンティア株式会社
 カシオ計算機株式会社
 京セラ株式会社
 三洋電機株式会社
 シャープ株式会社
 セイコーインスツルメンツ株式会社
 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社
 株式会社東芝
 日本電気株式会社
 日本無線株式会社
 パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社
 株式会社日立製作所
 富士通株式会社
 三菱電機株式会社
 モトローラ株式会社
以 上